2008年09月14日

24人のビリー・ミリガン(上)

「minds of …」という原題の方が良いかな、個人的には。

事実は小説よりも奇なり。

ダニエル・キイスが描くノンフィクション。らしい。
ただ、フィクションだろうと、ノンフィクションだろうとかまわない。
面白ければ。

正直、全く期待していなかったが、予想以上に面白かった。

「多重人格」という言葉は知っているが、ビリーの歴史を知ることで、
多重人格者が生まれる理由、つまり臨界点以上の身心的ダメージから逃れるために
痛みを引き受けてくれる人格(この場合は幼児)が生じる過程を知れる。

また、分裂した人格がそれぞれに独自性と特徴を持ち、
お互いが会話できること、理性により「スポット」と呼ばれる表の人格の体験を知ることができること、
そしてビリーの治療の中で、人格統合が行われたこと、などが淡々と記されている。

上巻だけど、後半はビリーの誕生からの記録を綴る。
生まれてからの義父による虐待、学校でのいじめなどを経験し、
アーサーやレイブンなど、役割を持った人格たちがどのように出現し、
理知的な生活を行うためにアーサーとアレン、レイブンたちがスポットの制御を持つようになる。
彼らの検討の過程までも記されていて、非常に面白かった。
…なにが面白かった、というのはわからないのだけど。
知的好奇心なのか?
泣けるわけではないし。

映画なら「好ましくない物」との戦いがあって、「教師」へと統合されてめでたしめでたし、だろうけど、
下巻はどうなるのだろう?

自分の中で多重人格と言えば、
洋画「アイデンティティー」がすぐに浮かぶくらいの衝撃でした。
ただ、映画は自分のペースでは見れない方、じっくりと吸収できる本はステキだった。
posted by なべ at 16:04| 東京 霧| Comment(0) | TrackBack(0) | ブックレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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