事実は小説よりも奇なり。
ダニエル・キイスが描くノンフィクション。らしい。
ただ、フィクションだろうと、ノンフィクションだろうとかまわない。
面白ければ。
正直、全く期待していなかったが、予想以上に面白かった。
「多重人格」という言葉は知っているが、ビリーの歴史を知ることで、
多重人格者が生まれる理由、つまり臨界点以上の身心的ダメージから逃れるために
痛みを引き受けてくれる人格(この場合は幼児)が生じる過程を知れる。
また、分裂した人格がそれぞれに独自性と特徴を持ち、
お互いが会話できること、理性により「スポット」と呼ばれる表の人格の体験を知ることができること、
そしてビリーの治療の中で、人格統合が行われたこと、などが淡々と記されている。
上巻だけど、後半はビリーの誕生からの記録を綴る。
生まれてからの義父による虐待、学校でのいじめなどを経験し、
アーサーやレイブンなど、役割を持った人格たちがどのように出現し、
理知的な生活を行うためにアーサーとアレン、レイブンたちがスポットの制御を持つようになる。
彼らの検討の過程までも記されていて、非常に面白かった。
…なにが面白かった、というのはわからないのだけど。
知的好奇心なのか?
泣けるわけではないし。
映画なら「好ましくない物」との戦いがあって、「教師」へと統合されてめでたしめでたし、だろうけど、
下巻はどうなるのだろう?
自分の中で多重人格と言えば、
洋画「アイデンティティー」がすぐに浮かぶくらいの衝撃でした。
ただ、映画は自分のペースでは見れない方、じっくりと吸収できる本はステキだった。
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